2018年12月2日日曜日

読書3冊

 <『週刊金曜日』編 『検証 産経新聞報道』(金曜日、2017年)>:昔、会社のある同僚が胸を張って「産経は一流の新聞」と言っていた。言葉を返すことはしなかった。論理性に欠け、他の意見を聞かずに自己感情を前面に出す人とは会話にならない。・・・かつての仕事は事務機器の製品設計で、今振り返ってもいい仕事であったと思う。そこには抽象的な解釈の相違などが介在することはなく、基本はすべて無機的で言葉を弄ぶことのない、嘘をつかない機械の世界であったからである。

 <ハーバー・ビジネス・オンライン編 『枝野幸男、魂の3時間大演説』(扶桑社、2018年)>:この冊子は良質なテキストとして残ると思う。3時間近い演説の原稿はピンポイントを箇条書きにしたレジュメであることに驚いた。現在の政権のすすめかたを「エレベーターのパラドクス」で例えるのは皮肉が効いていてわかりやすい。低劣な野次を飛ばす議員も、審議を深めない国会も、そこに焦点を当てるだけでは何も変わらないと思う。重要なのは、どうしようもないことではあるが、選挙システムであると思い続けている。

 <植村隆 『真実 私は「捏造記者」ではない』(岩波書店、2016年)>:産経新聞と関係するところは『検証 産経新聞報道』と重複する部分がある。しかしながら匿名での誹謗中傷、「商売右翼」の卑劣さにはあきれるばかりである(もちろん「商売左翼」も好きではない)。かれらを「右翼」と呼んでは「真の右翼」に対して失礼な気もする。

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