2018年12月21日金曜日

雑記、文庫本1冊

 18日、下駄箱の清掃と整理。下駄は家族で2足しかないから靴箱と呼ぶのが適切だろうが口に出るのは”下駄箱”。

 19日、玄関内外のタイル床をクリーニング。

 20日、年賀状の印刷と投函。午後はTa・Co兄妹と一緒に自宅でしゃぶしゃぶ昼食。豚肉を6パック完食。この兄弟の偏食は面白い。兄は果物がダメで野菜はオーケー、妹の方は果物オーケーだが野菜が嫌い。この日、娘の子ども達を相手に飲むのも妙であるが、彼・彼女が来ると嬉しいのでついついビール1缶と葡萄酒(今回は白)を1本空ける。
 昼食後はトランプ。ゲームは自製のゲームで、ルールは至って簡単だが、算数の知識は必要。骰子を2個振って出た数字2つを各自勝手に四則演算し、その計算結果に合致させるよう持ち札3枚までの数字を四則演算し場に出す。出された結果は相互に確認する。手持ちのカードを早くなくすのが目的。これは昨年の末か今年初めころから時折やっている。小学3年のCoちゃんは計算が速くなったが、一番速いのはやはり中2のTa。

 21日、スーパーでレジの前に並んでいたら目の前にかつての同僚であるHoさんがいる。2-3歳年長の小柄な体がさらに小さくなり、よぼよぼ状態に足を突っ込んだ爺さんに見えた。向こうは後を向くことがなかったのでこっちに気付かなかった。買ったものを袋に入れているときは少しだけ距離をおいて横にいたのだが、それでもその年寄振りに驚いてしまい、声をかける気にならなかった。自宅から500mほど離れた所でまだお袋さんと二人なのか、あるいはもう一人暮らしになったのかなとふと思う。生涯独身のままでいることは確からしい。

 <ピエール・ルメートル 『天国でまた会おう(下)』(ハヤカワ文庫、2015年)>:『その女アレックス』を読んでその面白さに惹かれ、続けて買ったのがこの小説。カミーユ警部シリーズに先に手が出てしまいこの小説は放ってしまっていた。「”史実”に基づいたこの小説が含む虚構」(作者あとがき)は、作者が「初めてミステリーというフィールドから離れて書いた小説」(解説者)でフランスでは”冒険小説”とも呼ばれているらしい。物語は、主人公と副主人公が詐欺を計画し、卑劣漢の元中尉は汚いやり方で財を築こうとするが、やがてその阿漕な手段は表沙汰になる。中尉は富豪の娘と結婚をし、物語の終わりになって、その富豪は車ではねる相手が息子であることを知る。主人公は詐欺で得た大金を持って恋人と共にベイルートに逃れる。
 ミステリーから離れた小説というけれど、詐欺を仕掛け、その詐欺にはまった富豪の犯人捜しはやはりミステリーの要素が詰まっている。善人は登場しない、皆それぞれに現状から脱却し安寧な生活を得ようとしている。彼らの周りの出来事は人間の欲望がそのまま素直に表出しているだけであり、時には皮肉っぽく描写されている。帯にある「恐怖、禍々しさ、情感、荘厳、卑しさ、そして滑稽さまでもが、ここでは見事に一つになっている。--<ル・ポワン誌>」という評がぴったりくる傑作であり、人間観察ができる小説である。書名は事実からの引用-敵前逃亡の汚名で銃殺刑となり後に名誉回復となった兵士が妻に残した言葉-である。

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